皆さんこんにちは、王文強です。
今日は大事なお知らせがあります💡
これまで日本で数多くの方に変面を紹介して来ましたが、
今回、「変面芸術文化の普及、正しい継承、芸術価値の向上」を目指して、
【中国変面芸術研究センター(中国变脸艺术研究中心)】を立ち上げます!
実はこの構想を持っていたのは数年前からになりますが、
私が日本で活動する中で、今の日本における変面業界の現状や、
課題に対する危機感を日に日に強く抱くようになっていきました。
課題とは何か?
日本でもここ数年、SNSやネット動画の普及もあり、
嬉しいことに変面の人気や知名度は上がり、
様々な場面で「変面」ショーを見ることができるようになりました。
有難いことに、そのような需要が増えてきているからこそ、私もこうして各地で出演させて頂けています。
その中で、お客様から「変面はまるでマジックのようですね」と言われる事があります。
(マジック自体は私も好きですし、観客を魅了する素晴らしいパフォーマンスだと思っています)
しかし私は少し違和感を感じており、
なぜなら、変面は歌舞伎などのように劇中の表現・演出手法から生まれた中国の「伝統芸能」に属するからです。
(元々は劇中で使われていた技です)
川劇「白蛇伝」の一幕
(変面の神が白蛇を捕らえようとするシーン)
また伝統芸能における身体表現の基礎(型や体幹、リズム、足捌き、手の仕草など)は、
長い年月をかけて培うもので、数日や数週間足らずの練習で身に付くものではありません。
変面はそのような身体表現や、中国伝統劇の型・表現力・技などを含めた総合的な芸術であり、
単に「お面を変えることができる=変面」では決して無いと思っていますし、
日本でもそれらを兼ね備え、観客を魅了する素晴らしい変面師の方々がいるからこそ、
いまの変面人気があると思っています。
しかし残念なことに最近は日本でも「〜日間で変面をマスター!」等と謳って
変面そのものがビジネス化され、ネットなどで変面の衣装販売を行う業者もあり、
その結果、興味をもって変面を学び始める変面師が多く存在するようになりました。
全ての方では勿論無いですが、その中には一部、十分な訓練・基礎が無いまま
お客さまに演舞を披露している、という動画もよく見かけます。
その場合、見た観客はどういう印象を受けるでしょうか?
中国伝統劇を知る人から見ればすぐにその違いはわかりますが、
変面を初めて見た方は「これが変面か(=お面が変わるマジック?)」と多くの方が認識してしまうのではないでしょうか。
一見すると「確かにお面は変わっている」 けれども、
それは「伝統芸能」とは遠い状態だと思うのです。
もちろん、表演の中で大切なのは「見ている方に楽しんでもらい、感動を届けること」であり、
「細かな動きなどが、そこまで重要?」という意見もありそうです。
またもう一つの私の問題意識は、
そのような動画の一部には、機密に関しての重大な内容が露出し出回っているケースもあることです。
(あまり内容がひどい場合は、私も直接連絡して削除対応してもらうなどしていましたが、
演じている本人がそのような認識・自覚が無いことが危険な状態と思います)
このような変面に対しての混沌とした現状があるなかで、
どうしたら良いのか、とずっと考えていました。
目指す在り方
近年の動画サイトやSNSの急激な普及・発展もあり、変面に興味を持つ人は年々増えていますし、
日本人や他国の人が変面を学び始めることも、変面の国際化が益々進む中で必然だと思っています。
(それだけ世界で変面を好きな方、愛する方が増えるということは嬉しい事でもあります)
ただ、その中で何よりも大切にしなければいけないのは、
「変面の正しい継承」
「変面を継承する上でのルールの厳守」
「芸術価値の向上と発展」であり、
そのためには「変面を日本で正しく伝えるプラットフォームの確立が必須」だと、
日本で変面を伝える自分の役割・責任を強く感じて、今回の設立を決意しました。
本センターではプロの変面師を目指す人向けに「師弟制」での継承制度を設け、
また既存の在日変面師の方々との緊密な連携や技術講習会などを行い、
共に日本変面界の技術・価値向上を目指します。
また一般の方で、変面を見て感動して大好きになったと言ってくださる方も多くいます。
そのような方達にも、変面の実演だけでなく、その文化背景などを含めてより深い理解をしてもらえるような
セミナーやワークショップなどの普及活動も、今後どんどん行なっていきたいと考えています。
そしてショーだけでなく、変面を演劇で用いたり、また他の活用の可能性の追求や技の研究など
変面の芸術価値向上のための取り組みも、今後も継続して行なっていきます。
本センターの具体的な活動内容は、主に以下の3つです。
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■主な活動内容
1、変面芸術の普及活動(変面の実演及び文化背景についてセミナー活動)
2、変面芸術の正しい継承、芸術価値の向上を目指すための指導。
3、変面芸術の応用、創作や演劇への機能研究、変面可能性の追求等。
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また本センターの特別顧問には、
私の変面の師匠であり、変面の本場、中国四川省で「変面の神」と呼ばれる
四川省川劇院所属の「毛庭齊」師匠に務めていただく予定です。
今後も多くの方に「本物の変面」による感動をお届けし、また正しい変面を伝えていくため、
変面を愛する同士達と共に手を取り、
また中国及び日本の関係機関との連携・協力を頂きながら、
日本の変面界全体の価値向上と明るい未来を築いていきたいと思います。
皆さん、これからも是非あたたかいご支援・ご指導を頂けますよう、お願い致します。
王 文強
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真野昭 (日曜日, 26 3月 2023 19:32)
王文強先生
師匠毛庭齊顧問の元 「中国変面芸術研究センター」設立おめでとうございます。
これからも精進して本当の変面芸術の演舞を日本国中に広められ、益々のご活躍をお祈りし、仙台から応援させていただきます。
皐月 雅文 (水曜日, 10 5月 2023 05:45)
日本の方々にもっと変面芸術を伝えたい