昨年2022年11月の舞台で大変お世話になったM氏のご好意で、
国立劇場での歌舞伎鑑賞にお誘い頂きました。
待ち合わせより少し早めに到着したため、隣接する「伝統芸能情報館」で開催している上方歌舞伎の展示も拝見しました。
鮮やかな色彩の中に、当時の人情や美意識が詰まった作品を解説付きで鑑賞でき、
なかなか充実しています。(入場無料)
◆人情味のある歌舞伎鑑賞
その後、昨年12月の大田楽公演でお世話になった出演者の方々、
また上海出身のS社長と一緒に歌舞伎公演『一條大蔵譚・五條橋』を鑑賞させて頂きました。
入門歌舞伎ということで、冒頭には物語をわかりやすくも笑える面白い解説付き。
『一條大蔵譚』では、子を守るために本心を隠して敵に身を捧げた常盤御前、
その夫である大蔵卿の阿呆ぶりと最後に魅せる力強く立派な姿。
どちらの役も人間の「表・裏」、2面性が見事に演じ上げられており、魅せられました。
日本の歌舞伎では心中物語りや近松門左衛門の多くの名作のように、
人間の内面を掘り出す魅せ方は素晴らしいと感じています。
牛若丸と弁慶の物語は冒頭に実際の橋の写真など用いた解説があり、
物語に馴染みのない外国人でもイメージが深まりました。
中国伝統劇の中では特に三国志などの立ち回りシーンでは激しさや技術の表現を重視するのに対し、
日本歌舞伎の立ち回りは、戦いのシーンの中でも型の優美さや優雅さを感じます。
歌舞伎鑑賞後はバックステージツアーを設けて頂き、
舞台美術担当のN氏より、さっきまで役者が使っていた花道の裏側を見せていただいたり、
(役者を花道に登場させる押し上げ装置を、亀の首が伸びるのみ見立てて「すっぽん」と呼ぶそう)
舞台道具、世界で初めて日本で考案された超大型円形の「廻る舞台」の仕組みも教えて頂きました。
短時間で舞台装置を入れ替えるため考案された廻る舞台、
今ではヨーロッパや海外でも多く取り入れられています。
このような立派な設備を持つ国立劇場も、改修工事のため今年10月で一旦お休みに入ります。
次にお目にかかれるのは6年後。
次回足を運ぶ際には、どんな姿で生まれ変わるのでしょうか。
日本の伝統文化・芸術の発信地として、期待が膨らみます。
今回は大変貴重な機会をいただき、誠に有難うございました!🙏
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